アラスカ、フェアバンクスで暮らす、親分とその子分達(キヨシ君:夫、サブ子:娘、栄作:息子、そして飼い犬 Maxine) の日常を綴ります。
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Posted by 親分
 
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職場での人種差別
昨日、仕事の昼休み中、病院のカフェテリアで日本人のYさんとお会いすることが出来ました。Yさんは大学でソーシャルワークを勉強されていて、うちの病院に付属している老人ホームで実習をなさっているそうです。Yさんとお話するのはこれが始めてだったのですが、芯の強く、頭の良さそうな彼女、今年の春の卒業後は、ソーシャルワークで修士を取るために他の州に引っ越されてしまうということです。

お互い休憩時間が限られているので、初めて会ってお話するにも関わらず挨拶もそこそこにお互いの仕事の話を始めたのですが、いきなりYさんに「どうですか、白人社会の中でのお仕事。」と聞かれて面食らってしまった私・・・。「白人社会の中で仕事している」という感覚が今までになかったからです。どう答えていいかわからずに、しどろもどろしている私に、Yさんは「差別とか、感じる?」と聞いてきました。・・・差別???

「いや、別に・・・。皆、人はいいし、すごく良くしてもらってるよ。自分が鈍いだけかもしれないけど。実は差別されているのに自分が気付いていないだけだったりして。」と笑いながら答えた私。Yさんは、「その方がいいです。鈍いほうが。」と繰り返しました。「どうして?Yさんは差別されていると感じることがあるの?」と私は驚いて思わず聞いてしまいました。どうやら、そうらしいのです。「どうしても壁を感じる」と。

Yさんとの15分の短い会話の中で、印象に残ったのがこのやりとりでした。

その後ゆっくり思い返してみたのですが、「親分はどこから来たんだい?」と患者さんから聞かれ、「Japanです。」と答えると「ジャップか。」とつぶやかれたことが一度あったぐらいなんですよ。(ジャップとは日本人を指す差別用語です。)しかもその患者さんは相当なお年寄りで、ボケてもいて、付き添っていた奥さんの方が「まっ!なんてこと言うの!本当にごめんなさい。」とこちらが恐縮してしまうほどに何度も繰り返して縮こまっていました。その時でさえ、実際私は「差別された」とは思いませんでした。だってそのおじいさんはきっと日本との戦争時代を生き抜いてきた人で、多分当時は敵国の日本人を普通にそうして呼んでいたのでしょう。ボケてしまったので言って良い言葉と悪い言葉の区別がつかなくなっているのですから、仕方がありません。

「うちの職場には差別が一切ない」とはもちろん言いません。職場での差別、と聞いて思い出すのはこれからお話する一件です。うちの病棟に入院してきた患者さん(白人のご高齢の患者さんでした。)が、「私を受け持つナースは黒人以外でお願いしたい」とリクエストされたことがありました。その話を聞いたうちの師長さんの対応がめちゃくちゃカッコ良かったんです。師長自ら病院長を引き連れて2人でその患者さんの病室に行き、きっぱりこう言ったんです。「私共の病院では人種で受け持ち看護師を決めたりすることはありません。うちの看護師が仕事上何かお気に触ることをしたのであれば別ですが、黒人だというだけで受持ちを断られるのであれば、どうぞいつでも退院なされて、よその病院に行かれていただいて結構です。」と。

思うんですが、アメリカという人種のるつぼで生きていくことを決めた以上、こういった「差別」の場面に出くわすのを避ける事って不可能に近いんですよ。大切なのは、そういう差別に負けない心、そして自信を持つことだと思うんです。日本人であるから、黒人であるから、といって、差別されるいわれは何もないのです。それさえ自分の中でしっかりしていれば、人から何を言われようとも私はきっと図太く生きていけることだろう、と。(っていうかすでに図太く生きてますけど。笑。)

「壁を感じる」というYさんの言葉が耳に残っています。うちのサブ子だって、将来アジア人との混血だということで学校でいじめられたりすることもないとは言い切れません。そうした時のためにも、差別に負けない心、自信を持った強い子に育てたい、その「壁」を自分から壊していくような、そんな子に育って欲しい、母としては、そう願っているのです。

追記は右の READ MORE...をクリック。
以下、追記

1、思い出しました、もうひとつだけ、これは差別?と思うような受け持ち患者さんからの発言。自己紹介をした私に、「I don't care for Japanese.(私は日本人は好まないのよね、ってニュアンスでしょうか。)」この時も私は「そうですか。」とさらっと流してふっつ~に仕事しながら会話を続けてましたけど。(笑)そのうちこの患者さんも「あんたなかなか面白いわね」と。退院時には「あんたにはお世話になったね。ありがとう。」とお礼を言われてうれしかった思い出があります。

2、キヨシ君の職場でのこと。カウンセリングを担当している子供たちのひとりに、「キヨシ、お前のワイフってジャパニーズなんだって?」と聞かれたキヨシ君、「そうだよ。」と答えると、「パンダ・ガーデン(地元のチャイニーズのテイクアウトレストラン)で働いてるのか?」とバカにされたらしいのです。キヨシ君からこの話を聞いた私は怒るどころか涙を流して爆笑!!!アジアンはチャイニーズレストランで働いている、というその発想!ティピカル過ぎる!そしてジャパニーズとチャイニーズは違うんだよっ!(笑)
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Posted by 親分
comment:8   trackback:0
[ナースのお仕事
comment
わかります・・・
外国で暮らしていく上でこういった問題って避けられないですよね。私も親分さんと同じで自分で外国に住むと決めた以上はこういったことは少なからず起こって当然、もしもそういった対応をされた時にそれに負けない強い心を自分が持てさえすればなんとかなるもんだと思ってます。

うちの職場ではつい最近までイギリス人以外のスタッフは必ずイギリス人と組んで仕事をするようにと言われてました。これはどうやら英語力の問題でといったことらしいのですが、これを言われた時は「そんなことを言わせないだけの英語力をもてるようになりたい」と思いました。
入居者の家族から国籍を聞かれ、日本人だと答えると「戦時中に僕の乗っていた潜水艦が日本軍に攻撃されたんだよ」と言われたときは一瞬なんと返答していいかわからなかったですが・・・。

自分が差別される立場になって初めて、差別とはどういうものか真剣に考えられるようになったので私はそのことはすごく自分のためにはよかったなーと思ってます。「人の振り見て我が振り直せ」・・・人が嫌に思うことをしたり言ったりしない人になりたいなと思います。

あらら、長々と書いちゃってすみません。


2006/04/20 12:10 | | edit posted by Harry
同感
親分さんのいうように、自信を持って図太く!やっぱりそれが一番でしょう。
私は今まで差別にはあったことはありません、英語が分からなくて気づいてない・・だけかも知れませんが。
それに私の場合は基地の中での生活だから、みんな仲間意識
とかがあるので、お互い助け合ってるって感じかもしれません。
もし、基地の外に住んでいたら、そういうことをもっと感じるかもしれないけれど・・・どうなのかな?
日本人?とか韓国人とかよく聞かれるけど、日本人って答えると大体の人は、日本に対していいイメージの人がほとんどで、
いろいろ日本のことを聞いてきたります。
一度だけMrと一緒にいたとき、フィリピン人のおじさんが私達が日本人だって言ったら戦争のことを言われて、なんていって言いのか困ったときがありましたけど。そして彼は日本の軍歌みたいのを私達に歌ってくれました・・・。とても複雑な気持ちになったのを覚えてます。

2006/04/20 18:37 | | edit posted by たまちゃん
ジャパニーズとチャイニーズの違い、意外と知らない人が多いですよね!少なくとも、私が住んでいるところは外国人が少ないので日本=中国の町みたいに勘違いしてる人が結構います。でも、アフリカの地図なんか見てると自分も知らない国があるわけで、私も同じようなものですね。

差別問題は本当に難しいのだけれど、親分さんのおっしゃるように、自分に自信を持ってしっかりしていれば”図太く”生きていけるのでしょうね。差別に対して、それは正しくない、という力も必要だけれども、場合によっては、親分さんのように鈍感になれる心の広さがいい結果を生むこともあるのだな、と感じました。

ちなみに私は日本人として嫌な思いをしたことはほとんどありませんが、服屋さんや病院の身体検査に行く度に"あなたって本当にtinyね!"と言われるのが嫌いです。相手に悪気はないのだろうけど、思わずムッとして、その度に夫に文句を言っては笑われています。私としては笑い事ではないのだけれど。

2006/04/20 18:53 | | edit posted by るびい
その師長さんの対応、誠にすばらしい。

私は日本人として差別にはあったことないですが、旦那さんと一緒にいて不快感を感じたことあります(あ、旦那さんにじゃなくて-笑-、嫌がらせを受けて)。私「こんにゃろぉ~~、てめぇ~」って思うんですけど、旦那は笑ってるんですね。冗談にしてしまう、つ、強い…と思いました。そう、親分さんの言うとおり、“図太さ”、大切だと思います。いじけてもしょうがないですもんね。

長男も実は髪が腰まであったんです(実は旦那も)。それで学校でいじめられてました。でも、何で髪を伸ばしているのかわかっていたので(髪はネイティブにとって神聖なものらしいんです)、「何で、みんなわかんねぇんだろ!おかしいよねぇ!」って怒ってました、いじけないで。結局髪は切ったけど、自分がどこからきているか(つまりIdentity)、しっかり分かっていることは強みだな、と思いました。

追伸:追記の2、伝説ですね… 「あ、これ」と思って再び吹いてしまいました…(笑)
2006/04/20 20:45 | | edit posted by Nango
図太さ、というかおおらかさ?はある程度必要だと思います
細かいことまで気にしていたら、なにもかもが差別に思えて神経磨り減ってしまいそうだし。人間いろんな人がいるんだな~、って思ってやっていくのが一番かなと思いました。

私は職場で一人だけのアジア系外国人ですが人種で差別というのはあまり気にならないかな。
戦時中、日本軍の捕虜だったという患者さんが入院していて、周りはかなり心配したみたいですけど、患者さん本人も私も普通な感じでケアできました。

いろいろな人がいる・・・ということで、とあるスタッフナースには悩まされていますが。悩まされているのは私だけではないので、人種差別というよりも、彼女のキャラクター上の問題かな、と。

・・・なんだか、自分ことばかりずらずらと書いてしまって。

どこの国で生きていくにしろ、人はみんな一緒じゃないから差別という問題は避けて通れないにしろ、ようは受け取る側の捉え方もあるかな、と思いました。
2006/04/20 23:27 | | edit posted by H i
難しい問題ですが。
Harryさん>
>人が嫌に思うことをしたり言ったりしない人になりたいなと思います。
Harryさんのおっしゃる通りですね。海外で生活していく以上、やっぱりこの問題は避けて通れないもの・・・。
それから私もよく英語のしゃべれない韓国人の患者さんを受け持たされるんですが、なぜかというとご高齢の韓国人の方って日本が侵略していた時代に「日本語」を使うことを強制されていたので簡単な日本語ならわかるんですよ。「子供時代、韓国語を使うと叩かれた」とか、そういうお話を色々聞かされました。「私が謝ってもどうなることでもないけれど、日本人として本当に申し訳なく思います。」としか言えませんでした。その患者さんは「昔のことだよ。あんたのせいでもないし。」と笑ってくれましたが。
色々、考えさせられますよね・・・。

たまちゃん>
>基地の中での生活だから、みんな仲間意識
とかがあるので、お互い助け合ってるって感じかもしれません。
それもあるかもしれませんね!でもフェアバンクスの人々って、基本的によそ者でも暖かく迎え入れてくれる雰囲気があるように感じるのですが、それは私だけでしょうか・・・。差別が一切ないところって探してもないような気がしますが、フェアバンクスに住む人々には人の良い人が多い気がします。

るびいさん>
その通りですね!日本人だってアフリカの地理や文化には疎いですもんね。(笑)
”Tinyね”と言われることがイヤだ、というお話。笑ってしまいました。私の場合は日本にいた頃はかなり太めで、洋服のサイズもなかなか自分に合うものが見つからずに悔しい思いをしてダイエットばかりしていたタイプなので(アラスカに引っ越してきたら、なぜか何の努力もせずにするすると痩せた・・・。)、こっちで皆に「マッチ棒みたいじゃないの!もっと食べなさい!」と言われると実はちょっとうれしかったりします。だって!細いなんて日本じゃただの一度も言われたことないんですもの!(笑)

Nangoさん>
でしょ~。もう、うちの師長さん、かっこ良すぎです。一生、ついていきたい感じ。(笑)いつもはただの「眠そうなおばさん」なんだけど。(爆)
旦那さんと一緒にいて不快感を感じることはある、とのことですが、ネイティブに対する偏見を感じるということですか?やっぱりアラスカでもそういうことはある?マイノリティーである限り、そういう場面ってやっぱり一切を避けることって不可能に近いよね。でも長男君、本当にしっかりしているね。カッコいいと思います。まだ若いのに!やっぱりお父さんとNangoさんがそういう人間にきちんと育ててこられたからでしょう。ほら、だから「トリック・オア・トリート」が出来なくても、「エッグハンティング」が出来なくても、立派な人間に育つんですってば!(笑)

Hiさん>
そうですね。中には意図して言われたことでは全然なくても、すべてを「偏見」や「差別」としてとる人もいることは事実だと思います。うちの職場にもひとり、アフリカンアメリカンのナーシングアシスタントで、仕事上の苦情(休憩を取りすぎとか、仕事をきちんとしない、とか。苦笑。)を白人ナースから言われるたびに「これは黒人差別だ」と大騒ぎする人がいてちょっと困っています。
まぁ、そういう受け取り方しか出来ない背景には、きっと私達には想像もつかないような辛い出来事や過去があったから、ということも考えられないでもないですが。。。ようはキャラクターの問題、確かにそれもありますよね。
2006/04/21 10:05 | | edit posted by 親分
はじめまして。 フロリダでADNのコースに通っていて、今Practicum中なのですが、ちょうどつい最近Practicum中に私もJAPと呼ばれ、電話するから日本に帰ってくれと言われました。 今まで日本人に好印象を持っている人に会う方が多かったので、ちょっと淋しかったです。 
2006/04/23 03:37 | | edit posted by Helena
Helenaさん>
それはHelenaさん個人に対する言葉ではなく、日本人全般にたいする偏見からくるものなのでしょう。残念ですが、そういう古い考え方を持ったまま生きてきてしまったアメリカ人もご高齢な方のなかにはよくいらっしゃいます。
そうした心無い言葉にめげることなく、自分の心のこもった看護で答えを出して行くしかないんじゃないでしょうか。実習、がんばってくださいね。
2006/04/24 11:51 | | edit posted by 親分
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