アラスカ、フェアバンクスで暮らす、親分とその子分達(キヨシ君:夫、サブ子:娘、栄作:息子、そして飼い犬 Maxine) の日常を綴ります。
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Posted by 親分
 
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Dr. H
産婦人科のベテラン先生、Dr. H。バーコード頭に牛乳瓶の底のようなメガネ、「ひっひっひ」とも「へっへっへ」ともつかないニヤニヤ笑いが、初対面の人には気持ち悪いと思われるかもしれない。ナンゴさんの3男くんを取り上げたのもこの先生だったのだけれど、ナンゴさんには確か「ムツゴロウ」と呼ばれていた。

しかしそんな彼でも、少しその人となりを知るようになると、皆が皆、彼の大ファンになってしまうのはなぜなのか。

まず、彼の頭は切れる。他の州でエリート街道をまっしぐらに走ってきたらしい産婦人科医なのに、なぜかこんな田舎で細々と診療を続けている。堂々と誇れるキャリアとすばらしい腕を持っているのに、自慢するということが一切なく、「薄気味悪いがなんだか可愛く憎めない頼れる産婦人科医」としてフェアバンクスでは皆に愛されている。

私も産婦人科で働き始めた頃にはなぜナースがこぞって「Dr. H!Dr. H!」と慕うのかがいまひとつわからなかったのだけれど、ナースステーションで交わす会話の端々に見え隠れする彼の人柄に触れるにつれ、私もDr. Hの大ファンになってしまった。彼がナースを叱り付けるところも、小言を言うところも、私はただの一度もみた事がない。

もみ手をしながら患者さんの部屋から出てきて、
We just have to wait. We can not rush things in this business.
とナースステーションの一角にちょこんと腰を下ろし、のんびりとコーヒーをすすっている彼は可愛い。

なかなか分娩が思うように進行せず、イライラ不安になってきている患者さんでも、あのムツゴロウのような顔で
There's no baby who stays in mommy's belly forever.
とDr. Hにニコニコ諭されると「それもそうだな。」という顔をして落ち着いてしまう。

やっと担当の患者さんの赤ん坊が生まれて、分娩室から出てきた彼に「とうとう生まれましたかー。」と私が声をかけると、彼は乱れたバーコード頭を手櫛で直しながら
Yep, still exciting. There's nothing like it.
と本当にうれしそうに言う。Dr. Hはこの仕事を何十年としてきているはずだ。何百人、いや、それ以上の赤ん坊を取り上げてきたのかもしれない彼が、still exciting, there's nothing like it.と言う。

そういえばナンゴさんも最初は「初めて診察室にDr. H が入ってきたときには、旦那が『おい、おい!こんなんで大丈夫かよ~!』って心配していたよ!」と笑っていたけれど(それだけ見た目のインパクトが強いということだろう。笑。)、やっぱり最後には彼の人柄と腕の良さに満足していたようだった。赤ん坊が生まれているのに胎盤とへその緒を愛おしそうに見つめながら「こんなのが9ヶ月間もお母さんと赤ちゃんをつないでいたんですねぇ。生命の神秘ですねぇ。」としみじみと語っていて、ナンゴさんに「胎盤はいいから赤ん坊の方を!」と心の中で突っ込まれていたというDr. Hの話を、私は今でも覚えている。

そろそろ引退を考えているそうだけれど、もうちょっとがんばって欲しいな、と一ファンとしては願う!あまりの忙しさに皆がテンパっている時に、彼の「All we have to do is to have babies!ヒッヒッヒ。」とか、「忙しいのは良いことだ、Job Security だよ、みんな!」という口癖が聞けなくなるのが、やっぱりちょっと寂しいからだ。
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Posted by 親分
comment:3   trackback:0
[ナースのお仕事
comment
あと3週間くらいでうちの甥っ子か姪っ子が生まれるのですが、その先生に取り上げてもらうことになるのかしら…。

ムツゴロウ先生気になる!見てみたいな。
2010/04/23 20:54 | | edit posted by akko
爆、ムツゴロウ先生懐かしい。
気持ち悪いけど(ごめんなさい)、ムッツー(←あたらしいあだ名)のおかげでセイジの時はとてもいいお産だった。最後の診察時に陣痛促進するマッサージ?みたいのしてもらって、「これで1週間くらいかな...」と陣痛くる日をばっちり当てたムッツー、「すげ~~!」と思ったの覚えてる。
引退寂しいね、引退しても病院にいたりして(笑)。

2010/04/24 04:02 | | edit posted by ナンゴ
akkoちゃん>
今かかっている先生が Tanana Valley Clinic の産婦人科にかかっているのであれば、その可能性もありよー。
見た目妖怪みたいなんだけど(ひどい!笑。)とにかく愛すべき医師なのです。私も彼にかかれば良かったなーと今になって思うよ。

ナンゴ部長>
もう新しい患者も取らないみたいだし、診察日やオンコールの回数も徐々に減らしているみたい。まだはっきり引退するとは決めていないみたいだけど。寂しくなるよ、本当に引退しちゃったら!
そういえば彼、去年の秋に足だか腰だかの手術してうちの病院の外科に入院してたけど(びっこ引いてたじゃない?若い頃、スキーやってて転んだからなんだって。)、あの病衣着て歩行器につかまって廊下を歩く彼には、若くて綺麗なナース達から「先生、がんばって!」という黄色い声援がよくかけられていました。
2010/04/24 14:41 | | edit posted by 親分
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