アラスカ、フェアバンクスで暮らす、親分とその子分達(キヨシ君:夫、サブ子:娘、栄作:息子、そして飼い犬 Maxine) の日常を綴ります。
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Posted by 親分
 
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江國香織とよしもとばなな
秋に帰国したときに古本屋で買い溜めして、後日母親に船便で送ってもらっていた日本の本がクリスマス直前に届いた。子供用の絵本やらキヨシ君がちゃっかり自分で選んで自分で買っていた「熱帯魚読本」やら「昆虫図鑑」に加え、私が買ったレシピ本やインテリア雑誌や文庫本も詰まっていた。

子供達がDVDを見てる間や寝静まるのを待ってひとり日本語の本を読む幸せといったら!

江國香織の本を数冊(エッセイ集や小説)と、よしもとばななの「なんくるない」をすでに貪るように読み終えてしまった。2人とも私の大好きな作家だ。

江國香織の本は、その独特な透明感が好きでこれまで色々と読んでいる。江國香織の視点が私にはものすごく新鮮で、彼女の書く人物や食べ物や風景が私はすべて好きなのだけれど、彼女が夫婦を語ると私は決まって「おお、怖!」と思ってしまう。(彼女の書く「家族」は本当に暖かいが、「夫婦」はしみじみと怖いのだ。)しかし読むたびに実感するのは「江國香織は筋金入りのお嬢様なんだなぁ」ということ。いや、嫌な意味じゃなく、良い意味で。彼女もよっぽどの変わり者だと思うけれど、あの切れる頭と鋭い視点とかわいらしい外見と激しい情熱を併せ持った彼女の魅力にはやっぱり女の私でもやられてしまう。全く素敵な女性です!

だけどやっぱり日本の物書きで誰が一番好き?と聞かれたら私は「よしもとばなな」と答えるだろう。今回読んだ「なんくるない」もやっぱり良くって最初の短編一話で不覚にも泣いてしまった。彼女の作品には当たりハズレがあるのは確かで、それはよしもとばなな本人がしょっちゅう「これはとんでもない失敗作だった」とか後書きであっけらかんと書いてしまうことからも明白だ。(笑)でも彼女が20代でデビューを果たして以来、これまで書いてきたことはやっぱり気持ちが良いほどに一環としていて、彼女がそのたったひとつのことを伝えたいがために手を変え、形を変えて何度でもがんばって書き続けている様子がわかるので、私は「ハズレ」に当たっても別に悔しいとは思わない。(正直「アムリタ」や「とかげ」の頃は「よしもとばなな、いったいどうしちゃったんだろう。」と悲しくなったりもしたものだが・・・。)一生ファンであり続けると思う。

こっちが気恥ずかしくなるような熱いことを登場人物は平気で語るし、意地汚なかったり、どろどろしたこともたくさん出てきて、江國香織の洗練されて、垢抜けた、クールな雰囲気が全く感じられないのがよしもとばなな。でもその世界は読んでいてなぜかぐっと来る。

「なんくるない」に納められた、最初の短編「ちんぬくじゅうしい」に出てくる、主人公を一時預かる沖縄の叔母というのがまたすごかった。いろんな事に悩み、疲れ、苦しんで泣いてしまう主人公に真っ直ぐな言葉をかけてジュースを買いに走る叔母の暖かさが、なぜか自分の北海道の叔母の暖かさにダブって涙が止まらなかった。私自身は別に悩み、疲れ、苦しんでいるわけではないけれど、私の叔母はとんでもなく深く大きな心を持った人間で、私は赤ん坊の頃からずっとそれに触れて生きてきたのだ。太っているとか髪型がおかしいとか笑うと目がなくなるとか「バナナってほんとにうめえよなぁ」という彼女の口癖を真似て馬鹿にしたりとかこれまでに散々な口を利いてきてはいるが、叔母はすごい人間だ、一生かかっても私はああいう風にはなれない、と私は常々思っているのだ。こんなところで告白しても何にもならないが。(笑)

人間の真の暖かさや、「本物」を大切に思う気持ち、というものに対する、よしもとばななの執着心はやっぱり私の心を打つ。少々見苦しくても。垢抜けてなくても。こういうのが好き、って言うのはちょっと気恥ずかしいな、と思いながらも。ちなみに私がよしもと作品で一番好きなのは「キッチン」と「不倫と南米」。今回の「なんくるない」もかなり良かったけれど、よしもとばなな本人曰くこれは「失敗作」だそうで。(笑)「ちんぬくじゅうしい」、良かったけどなぁ!!!
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Posted by 親分
comment:5   trackback:0
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comment
あ~私も両方好き。「なんくるない」のその話は、なんとなく覚えてるなあ。

よしもとばななは、話の内容とか書き方そのものよりも、個人的には、ふとたまに出てくる言葉とか文章が好き。すらっと書いてるようなんだけど、それに支えられたり、はっとさせられたりする事が多い気がする。知ってるかもしれないけど彼女、ブログ書いてるよ。
http://www.yoshimotobanana.com/diary/

江國香織は逆に言葉の選び方とか、書き方そのものが好き。日本語が読めてよかったなあと思う作家の一人です。

近くに住んでたら、本の貸し借りとか簡単にできるのにね。
今度フェアバンクスに行く機会があったら、何冊か持っていこうか?
気になる本があったら、持ってるかどうか気軽に聞いてね。
2009/12/28 01:49 | | edit posted by ルティカ
親分とそう言えば本の話をしたことはなかった様な・・・


私もよしもとばなな好きでした。最近はどうも何かなぁ~と思っていたのだけど久々に復活しようと思い、イルカを買って読んでみた。私は親分ほど洞察力に優れていないので上手く表現できないけど好きな世界観だったよ。
まだ読んでいなくて良かったら送ります。

ちなみに私の一番は『悲しい予感』
あれは本当に大好き
あのピーンと寒い冬の感じと主人公の姉のかっこいいけどやはり弱いところもあるんだなと言うところ。
もう一度読み返そうかと思います。


あと、山田詠美も好きだったな~
彼女の結婚の形態が私たちと少しずれているので大人になった今はあんまりぴんと来ないけど高校生の頃はとにかく素敵な恋愛小説だった


江國香織は読んだことないので今度挑戦してみようかな。


サスペンス系では宮部みゆきが断然お勧めです。

最近は本屋さんをゆっくりもぶらぶらできないので新しい人を発掘できていないけどもっと読書談義したいね!
2009/12/28 05:18 | | edit posted by kiki
ルティカさん>
ルティカさんも好きー?よしもとばななのブログ、私も長年読んでます。彼女の私生活もなかなか面白いよね。江國香織はルティカさんの言うとおりものすごく綺麗な日本語を書く人だよね。ほんと、近くに住んでいたら本の貸し借りが出来るのにね。私はブログで何度も言ってるかもしれないけど(笑)彼女の作品の中では「流しのしたの骨」と「きらきらひかる」が一番好き!

kikiちゃん>
君も好きだったのー!?なんだー、色々語れたのに!(笑)「悲しい予感」もいいよね。どぶねずみ色のスーツを着て仕事に出る音楽教師の姉でしょう。でっかいボウルでプリン食べてお酒飲んだり。「イルカ」はまだ読んでません!良かったらぜひ送ってー!
宮部みゆきってそんなに面白いのか。ちょうど日本のウェブ本屋で日本の本買いだめしようかなぁと思ってたところだったので、ちょっと色々見てみます。お奨めあったら教えてくだい。
2009/12/28 18:13 | | edit posted by 親分
どぶねずみ色のスーツを着て仕事に出る音楽教師の姉


良く覚えてるね!!!

宮部みゆきは引越しのときにだいぶ処分しちゃったんだけど色々探してみてみます。送るから気長に待っててね!
2009/12/29 04:11 | | edit posted by kiki
kikiちゃん>
そうなの?宮部みゆきも送ってくれるの?楽しみー。気長に待ってるわ!

2009/12/30 21:38 | | edit posted by 親分
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