アラスカ、フェアバンクスで暮らす、親分とその子分達(キヨシ君:夫、サブ子:娘、栄作:息子、そして飼い犬 Maxine) の日常を綴ります。
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Posted by 親分
 
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小児ガンと闘う子供達
PBSでやっている「Independent Lens」という番組がキヨシ君も私も大好きで良く見ています。一昨日と昨日、その「Independent Lens」で2晩連続でやっていた”A Lion in the House”、観た方いらっしゃいますか?小児ガンと闘う子供達とその家族、医療スタッフを6年間に渡って追ったドキュメンタリーだったのですが。

17歳の時に10歳も年の離れた可愛い弟を「神経芽細胞腫」という小児ガンで亡くして以来、こういう番組はなんとなく観ることができないでいた自分ですが、今回は最初から最後まできちんと観ることが出来ました。

昔は画面に映る子供やその家族の奮闘する姿が妙に生々しく、リアルに感じられる一方、こういうネタで「お涙頂戴」的な雰囲気丸出しの番組を作成するテレビ局やコメンテーターに対して「自分の親兄弟や子供をガンで亡くしたことのないあの人達に、いったい何がわかるというのだ。」と憤りを感じずにはいられなかったものです。被害者意識が抜け切れていなかったのでしょう。

でも。今回の「Independent Lens」はちょっと違いました。とにかく淡々と「小児ガン」と闘う子供、その家族、そして医療スタッフを長年かけて撮り続けた、それだけ。以前は「不治の病を持つ子供を持つ家族」としてしか観ることの出来なかったこういうテーマでしたが、今回は「医療スタッフ」としての視点からも、そして「可愛い子供を持つ親」としての視点からもみることが出来た、というのも自分の中では大きな変化でした。

どこまで治療を続けるか、どこで諦めて我が子の死を受け入れるか、これは親にとってはまさに究極の選択です。何が正しくて、何が正しくないかなんて、はっきりした答えなど最初からきっとないのです。我が子を逝かせたくないが為にとにかく延命を、と願う家族もいれば、なるだけ苦しまないように静かに逝かせてあげたい、と願う家族だっています。そしてその決断を下した後でさえ、「本当にこれで良かったんだろうか。もっとなにか良い方法があったのでは・・・。」というその思いを、一生引き摺って生きていくことになるのです。

現在の医療技術ではどうにもならない、というポイントに辿り着いてしまったその時、医療スタッフはその家族がなるだけ悔いのない、納得した結論を出せるように手助けをするしか道はありません。でもそういう究極のシチュエーションでの医療従事者の一言がその患者、家族を救うことだってあるし、どん底に突き落とすことだってある。大変な役目です。

医療従事者だって人間だし、患者本人(子供)とその家族との間に挟まれてジレンマに悩むことだってあります。でも「医療」では何も解決できなくなったその時にこそ、医療従事者の人間としての本当の価値が問われるのではないか、私はそう思うのです。

テレビ画面に映る子供達は一生懸命でした。迫り来る「死」に対して最も勇敢に立ち向かっていたのは子供達本人でした。そんな子供達に自分の弟(3歳で発症し、7歳で逝ってしまった)の姿がダブり、涙で雲ってスクリーンが良く見えなくなったりしながらも、やせ細った、でもすべすべした弟の足や、病室のベッドの上で点滴につながれながらファミコンに熱中する真剣な弟の背中や、得意気にお腹の術後の傷を見せていた弟の顔を思い出し、懐かしいような、うれしいような。

辛い思い出がありすぎて、「小児科では一生働けそうもない」と思っていた自分でしたが、もしかしたらそんなことはないんじゃないだろうか、そういう修羅場を自らくぐってきた自分だからこそ出来ることというのが実はあるのかもしれない、と番組が終わった時に思えた自分がいました。今になってようやく14年前の弟の死をきちんと消化し始めている、そういうことなのかもしれません。
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Posted by 親分
comment:6   trackback:0
[ナースのお仕事
comment
 自分の心の地雷のような琴線に触れることが、こういう仕事をしていると多くあると思う。
  私は、脳外と不妊に関することがキツイかも。
 でも、子供に関することは、更にキツイことになり易いと思う。私の弟は自閉症なので、変な雑誌に乗ってる変な記事とか変な解釈とかを目にすると、過剰反応したりしてしまう。テレビのお涙頂戴への苛立ちや、理想論や綺麗にまとめれればいい的な態度、子供や病気の流行物(一時は癌だったり結核だったり)を追うこと、なんかは流しっぱなしの蛇口のように汚水を撒き散らしていると思うし、その中から得た間違った情報でわかったような顔をするひとも嫌だった。
 まあ、そういうのも「世間の興味と理解をひろめる」ためには有りなんでしょうがが。。。

 看護は、同じ思いを知っていないと、できない仕事じゃない。知らなくても、寄り添うことはできる。かえって知りすぎていると、同一視してしまうことも多々ある。
 でもその上で、やはり知っているからこそできることも沢山あると思う。
 親分、気持ちの消化を始められて良かったね。
 
PS。こういうのって勢いで書いて、かえって人を傷つけないか心配です。私の文章力の無さで嫌な思いをしたら、ごめんなさい。でも、まだ自分を消化しきっていない私なので、本当に辛い思いを消化し始められたこと、よかったと強く思ったので、書き込みました。
2006/06/23 22:56 | | edit posted by きゃらはん
きゃらはんさん>
素敵なコメントを、本当にどうもありがとう。

きゃらはんさんも私と同じような思いを経験してきてるんですもんね。「受けさえ良ければいい」という姿勢で番組を作るのは日本のテレビ局に特に多いような気がするのは私だけでしょうか。きゃらはんさんの言うとおり、そんな番組でも「世間の興味と理解を広める」きっかけにはなっているのでしょうが・・・。

>看護は、同じ思いを知っていないと、できない仕事じゃない。知らなくても、寄り添うことはできる。かえって知りすぎていると、同一視してしまうことも多々ある。
きゃらはんさんのその言葉、まさにその通りだ!と思いました。そうなんですよね、知りすぎていると患者さんやそのご家族のことを客観的にみられなくなってしまう、それも「小児科では働けない」と思った理由の1つだったんです。

でも今までは「辛くて見ていられない」と思っていた弟と同じ境遇の子供達を、テレビ画面を通じて見ていて、今回初めて「懐かしいな、うれしいな。辛い思い出であることには変わりがないけれど、それでも弟の姿や仕草や声を思い出せるっていいな。」と思えたんですよね。これは自分としては大きな前進でした。

今は内科病棟での仕事を愛して止まない自分なので(笑)今すぐどうこうという気持ちは全くないのですが、将来もし機会があったら小児科での仕事に飛び込んでみるのも悪くないかな、と思っているのです。

心のこもったメッセージ、本当にうれしかったです。きゃらはんさん、どうもありがとう。また会ってじっくり仕事の話でもしたいです!
2006/06/24 16:51 | | edit posted by 親分
親として
私は医療機関で働いたこともありませんし、若くして大病で失った家族もいません。経験のないもの、とやかく意見の言える立場ではない、と思っています。

でもこういう日記を読んで、二人の子供を持つ母親として考えさせられる機会を持たせてくれたこと、ありがたくおもってます。

次男が親分さんのうちの寝室で遊んでいるのをチェックしに行ったとき、弟さんの写真に釘付けになりました(親分さんのベットで跳ねているのを止めにいったはずなのに…)。なにが言いたいのか自分でもさっぱり分かりませんが、「点滴をしながらファミコンに夢中になる姿」に胸いっぱいです。

 


2006/06/24 20:40 | | edit posted by Nango
はじめてまして
mixiのコミュニティから入らせていただきました。

親分さんの日記から、仕事・看護への真摯な姿勢とプライベートでの可愛いお子さんとダンナさんとの生活がとてもあこがれます。
私も将来、アメリカでRNとして働く夢があります。
まだ日本で勉強中ですがいつか親分さんたち先輩RNさんの仲間入りすることを目標に頑張ります!

さて、日記を読んでいて共感するところがありました。私も父を亡くしてそれ以来は医療ドキュメント(同じようなケースの)がみれなくなっています。これから父のようなケースにも遭遇しなければなりませんが、正直耐えられるか自信はありません・・でも私が看護師を目指そうと確信したのも父の存在からでした。
今後どのような道を進もうとも、あの経験を痛手にせず、自分の力となるように、乗り越えていくことが私の課題です。
長くなりましたがこれからもまた覗かせていただきたいです。
では
2006/06/25 00:19 | | edit posted by mayuko
親になって
親分さん、お久しぶりです。
サブ子ちゃんの成長ぶりを
いつも楽しみに読み逃げしてます。(笑)

さて、私が上の子を妊娠中、早産やそれに伴って
未熟児として産まれた子供のドキュメンタリーを
偶然見ました。

当時私は、子供が下り気味で
出来るだけ安静にって言われて
過ごしてました。

そして、出産に対する恐怖が拭えず
かといって田舎ですし近くに
無痛分娩の産院などあろうはずもなく
せっかく待望の子供を授かって、
それを喜んでいるにも関わらず、
来るXデーが恐ろしく
不安な気持ちで過ごす情けない母でした。

でも、その番組を見て、自分なんてどうだっていいから
とにかく子供が元気で産まれて来られるように
私なりに努力しないと!と気持ちが変わったのでした。

そして、早産で産まれた小さな子供が
お母さんに甘える姿を見て
心から「可愛い!」って思えた時に
同時に人の子なのに凄くその子が愛しく思えて
その時に私も母になるんだなって
妙に実感出来たのでした。

確かに泣かせる演出など
実際に体験された方から見ると
許せない構成は多々あるのでしょうが
私は、自分の知らない所で
色んな病気や症状で苦しんでいる人がいて
その人達を支える医療の現場の人達がいるんだという
現実を教えてくれるという意味で
ドキュメンタリー番組にも価値があるのかな?
なんて思います。
2006/06/25 18:27 | | edit posted by むら
Nangoさん>
私も自分が親になって初めて、自分の親がどれだけ辛い思いをしたのか、ようやくわかったような気がしました。もちろん自分も弟を亡くして辛い思いをしましたが、親が子供を愛する気持ち以上に強いものってなかなかないんじゃないでしょうか。Nangoさんも可愛い息子さんを2人もお持ちなのできっとお分かりのことだと思いますが・・・。
あの弟の写真ですが、気付かないところで見てくれてたんですね!(笑)1枚目は化学療法で髪の毛が抜けてしまって頭がつるつるなんですが、弟はいつもあのヘアスタイル(?笑)だったのであれが私には一番なじみの深い笑顔なんです。2枚目の写真の弟はいわゆる寛快状態で髪の毛も生えてきて健康的な男の子らしい顔をしています。小学校入学を目前に、ランドセルを買ってもらってはしゃいでいる弟です。結局小学校に行けたのは1日だけでしたが。どちらも私にとっては大切な写真です。いつも寝室に飾っています。
お互い子育てで色々悩むこともありますが、やっぱり子供は健康でいてくれればそれでいいんですよね!

Mayukoさん>
はじめまして。素敵なコメントをありがとうございます。アメリカでのRN資格取得を目指していらっしゃるそうですが、ぜひぜひがんばってください!私はこっちでの看護の仕事、本当に楽しんでいます。(良い所ばっかりでもありませんが。笑。)
さて、Mayukoさんも若くしてお父さまをガンで亡くされたそうで、本当に残念でしたね。確かに実際にご自分で似たようなケースを受け持ち、看護するようになったらお辛いかもしれませんね。でもMayukoさんご自身もおっしゃっているように、そういう思いを自分で経験してきたMayukoさんだからこそ患者さんやそのご家族の気持ちを良く理解できるという強みもあるんじゃないかな、と思います。きっと素敵な看護師さんになられることでしょう。
これからもmixiのコミュニティー同等、うちのブログにも遊びにいらしてくださいね。よろしくお願いします。

むらさん>
お久しぶりです。むらさんにも出産前にそんなことがあったんですか。子供さん、元気に産まれてきて本当に良かったですね。
>自分の知らない所で色んな病気や症状で苦しんでいる人がいてその人達を支える医療の現場の人達がいるんだという現実を教えてくれるという意味でドキュメンタリー番組にも価値があるのかな?なんて思います。
その通りですね。私もまだ弟の死から立ち直っていなかった時期にはどうしてもコメンテーターの無神経なコメントを聞き逃せなかったり、どうしても過剰反応してしまうところがありましたが、むらさんのおっしゃる通り、そういう病気を身近に見たことも経験したこともないという方にとっては現実を知るよいキッカケになるのかもしれません。そういう意味では貴重な番組なのかもしれませんね。
それから補足ですが、私もドキュメンタリー番組すべてが「視聴者受け」を狙っていてタチが悪いと思っているわけではないんです。中には今回私がみた「Independent Lens」の様に、質の良い、内容の濃いドキュメンタリー番組もたくさんあります。ただ、その病気と真剣に闘っている患者さんや家族を取り上げて、それを型にはめた見方で撮って、視聴者にちょっと曲がったメッセージを送ろうとする番組、それはやっぱり間違っているんじゃないか、と思うわけです。なかなか難しいですけどね!
2006/06/26 10:41 | | edit posted by 親分
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